最新記事

金融

波乱に満ちた2010年代 世界の金融市場を一変させた10のトレンド

2019年12月24日(火)14時11分

仮想通貨

2010年の時点ではビットコインはオンラインフォーラムの一部で話題を呼んだアイデアだった。しかし10年後、暗号資産(仮想通貨)は金融、ビジネス、政治と結びついている。

2010年には仮想通貨市場は存在しなかったが、現在は2000億ドルを超える。ビットコインバブルの頂点では8150億ドルに達した。上場時は3セントだったビットコインは7500ドル超で取引されている。一時は2万ドルに迫っていた。

仮想通貨は反政府運動や犯罪のためのツール、投機の対象、円滑な支払い手段などさまざまな面を持つ。安全性に対する懸念を完全に払しょくするまでには至っていないが、仮想通貨とブロックチェーンの技術はめまぐるしいペースで進化している。フェイスブックの「リブラ」計画や中銀のデジタル通貨構想などは最たるものだ。

パッシブ運用の隆盛

時には消極的(パッシブ)なほうがいいこともある。S&P500指数に連動するETF(上場投資信託)に投資するパッシブ運用ならリターンは過去10年間で200%となっていた。しかも手数料はアクティブ運用の何分の一かだ。コンサルティング会社ETFGIによれば、ETFは2010年の2兆ドルを下回る規模から約7兆ドルに急拡大した。バンク・オブ・アメリカは安い手数料に支えられてETFブームが続くとし、2030年には50兆ドルに達すると予想している。

環境投資

過去4年間が歴史上最も暑かったことで投資家は気候について10年前とは考え方を変えつつある。

農作物の不作や洪水、森林火災はすべてポートフォリオに打撃を与え得る。環境を汚染する産業への投資を減らしたり、再生エネルギーや節水技術への投資を増やしたりするファンドが増えている。植物由来の人工肉を製造するビヨンド・ミートは2019年の新規株式公開(IPO)で成功を収めた。

グローバル・サステーナブル・インベストメント・アライアンスの推計によると、持続可能な投資やグリーン投資は30兆ドルを超え2011年の2倍以上の規模となっている。

環境事業のための資金を調達する環境債(グリーンボンド)が初めて発行されたのは2007年だが、今年の起債は2000億ドルを超え過去最高となった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:AI導入でも揺らがぬ仕事を、学位より配管

ワールド

アングル:シンガポールの中国人富裕層に変化、「見せ

ワールド

チョルノービリ原発の外部シェルター、ドローン攻撃で

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中