最新記事

ネット

「軽く月10万円は稼げます」 アマゾン偽レビューを書く人はどうやって儲けるのか?

2019年11月8日(金)17時00分
横田 増生(ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

「ある日、これからは、僕がアマゾンで買ったことにして、定期的に商品を送らせてもらっていいですか、というメッセージがきたんです。実際にお金を払うことも、レビューも要らないって言うんです。

そこから、月に2回、1回につき10個ほどの商品が送られてきますね。イヤホンやスマホの画面フィルム、携帯のゲームコントローラーなど、要るものと要らないものが交じっていますけれど。その意図ですか? 商品が売れた体裁にして、売上げランキングを上げたい、ということなんでしょうかね。断る理由もないんで受け取っています」

私も似たような投稿をフェイスブックで見たことがあった。

発信者の名前は、《Aj Chen》とある。プロフィールには、「一歩ずつ、少しずつ、しっかり歩いていきます」という自己紹介文と、潮州市出身で広州市在住、早稲田大学出身と書いてある。私の経験上、名前も在住地、出身校もウソである場合がほとんどだ。出品者も、レビューアーもほとんど偽名を使う。それで取引が成り立つこと自体、このフェイクレビューの取引のいかがわしさを端的に表している。

「皆さん、いつもお世話になります。住所を教えていただき、アマゾン商品を2-3点(商品価格5000円ぐらい)受け取ってくれる方を募集しています。ご興味あれば、直接にご連絡くださいませ。よろしくお願いします」

出品者の正体は......

実際、フェイクレビューとはどのような文面で書かれているのか。3000円近い値段がする、セラミックファンヒーターについてのフェイクレビューは、


★★★★★こぢんまりした部屋にジャストフィット
今まで小さな部屋だったので、コタツでしたが、PCなど使用のために、コタツに変わる暖房を考えていたところ、この様な商品に出会いました。わずかなスペースに置けて、思ったより暖かく、小さな部屋にはピッタリで、使い勝手も良いです

とある。この商品には80件以上のレビューがつき、70%以上のレビューが五つ星だった。

2000円台の値段がついた《キーファインダー 探し物発見器》には、こんなレビューがついている。


★★★★★ 簡単に見つかりました!! 車の鍵とかスマホとか細々したものをときどき無くすので、紛失防止の為に買いました。 普段スマホをマナーモードにしたまま無くしてしまうので、他の人に電話をかけてもらって着信音を頼りに探すことも出来なくて困っていたので、非常に探しやすくなって便利です

このキーファインダーには、40件のカスタマーレビューがついていて、五つ星レビューが75%。私が見たときには、忘れ物防止タグの部門で、《Amazon's Choice》のロゴがついていた。いずれの出品者もプロフィールに記された住所はCN、つまり中国であった。
(著者注・レビューの文章は、だれが書いたのかを特定されないように若干表現を変えている)


『潜入ルポ amazon帝国』
(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)



※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏発言が欧州安保の動き誘発、統合軍創設も視

ビジネス

EIA、ブレント原油「第2四半期に115ドルでピー

ワールド

米中経済関係は安定、来月の首脳会談で維持へ=UST

ワールド

米イラン協議、パキスタンの仲介正念場に サウジへの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 9
    「人間の本性」を見た裁判官が語った、自らの「毒親…
  • 10
    スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のア…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中