最新記事

航空機

いまだ飛べない737MAX、航空各社の「稼ぎ時」を直撃

2019年4月18日(木)12時10分

通常であれば、米航空各社は最繁忙期の夏により多くのチケットを売って空席を埋めようとしのぎを削る。写真は3月、運航停止になり米カリフォルニア州のビクタービル空港に駐機されたサウスウエスト航空の737MAX型機(2019年 ロイター/Mike Blake)

通常であれば、米航空各社は最繁忙期の夏により多くのチケットを売って空席を埋めようとしのぎを削る。だが、運航停止が続く航空大手ボーイング737MAX型機を抱えている会社は、機材不足と需要の高まりという、まったく様相の異なる問題に直面している。

燃料効率が良く、単通路型の737MAX型機が2件の墜落事故を起こして運航停止になったことで、米航空会社の春と夏の北半球運航スケジュールに大きな影響が出ており、繁忙期恒例の「利益獲得競争」に参戦できなくなる可能性も出ている。

「収益目標はすぐ目の前にあり、見えてはいるが、達成できない」と、米サウスウエスト航空のパイロット団体の広報担当者マイク・トレビーノ氏は言う。

737MAX型機の世界最大の運航会社で34機を保有するサウスウエスト航空と、24機を保有するアメリカン航空は、同型機を8月までの運航スケジュールから外した。

サウスウエスト航空のこの決定は、6月8日─8月5日の1日の運航数4200便のうち、160便がキャンセルされることを意味している。アメリカン航空の場合、8月19日までの運航停止により、夏季1日の運航便数の1.5%にあたる115便がキャンセルされることになる。

他のライバル航空会社と異なり、737型機しか保有していない格安航空会社(LCC)のサウスウエスト航空は、737MAX便のキャンセルなどにより2月20日─3月31日だけで1億5000万ドル(約168億円)の収益減があったと推計している。

航空各社は現在までのところ、737MAX型機運航停止の影響を第1・四半期を超えて推計するには時期尚早だとしている。だが、長期間のキャンセルが予定されていることは、急速に売り上げを伸ばしていた同型機の早期の運航再開を各社が予期していないことを示している。

737MAX型機は、昨年10月にインドネシアのライオン航空機が墜落したほか、今年3月にエチオピア航空機が墜落したことを受けて運航が停止された。わずか5カ月の間に相次いで起きたこの2件の墜落事故では、乗客乗員は全員死亡した。

ボーイングには、両事故で注目を集めた失速防止の制御ソフト「MCAS」の修正版を提供し、同型機が運航再開に十分に安全であることを世界各国の航空規制当局に納得させるよう、プレッシャーがかかっている。これには、最低でも90日はかかるとみられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、スペインは「国際法順守」 ホルムズ海峡巡る

ワールド

欧州各国とカナダの防衛費、25年に20%増=NAT

ワールド

イスラエル、革命防衛隊のタングシリ海軍司令官を殺害

ワールド

マレーシア首相、イラン・エジプト首脳らと会談 ホル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 4
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 5
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国…
  • 8
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 9
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 10
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中