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世界を食らうテクノロジー(2/2)

2015年7月14日(火)20時20分
ケビン・メイニー

 終末論者はひどく間違っているのかもしれない。実際、AIやソフトウエア、遺伝子組み換え技術などを進化させ導入する以外に、2025年には80億人に膨らむと予想される人間を養う方法はない。中間所得層が割りを食っている間にも、技術は生活の質を向上させているという証拠はいくらもある。スマートフォンの無料アプリでどれほど多くのことができるか考えてみるといい。10年前に同じことをしたら大金がかかったはずだ。ソフトウエアは富裕層のためだけだけでなく、我々にも平等に安く優れたサービスを提供している。

 結局、重要なのは問題をどう認識するかだ。ハイテク産業は、燃え広がる山火事の匂いに気づくべきだ。テクノロジーはかつて正義の味方だった。だがこれからは、巨大石油会社のPR担当と同じぐらいの逆風に立ち向かうことになるだろう。どんなに評判を下げたところで、人々がガソリンを買うことや化学製品を買うのを止めるわけではないが、石油産業はとうの昔に地球を汚染する悪党というレッテルを貼られてしまった。映画では、石油王は決まって悪役だ。こうした評判は、新入社員の質や政府からの扱いや特定の人脈に招かれるかどうかをも左右する。

 ハイテク産業は、どうすれば楽観的な物語をもう一度語れるようになるかを考えるべきだ。誰も耳を傾ける人がいなくなる前に。

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