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英ボーナス課税、脱出先スイスは楽園か

2009年12月22日(火)15時02分
ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン支局)

 英政府は12月9日、銀行が2万5000ポンドを超えるボーナスを支給する場合50%の特別税を課すことを発表。来年4月には所得税率が最高50%に引き上げられる。「ロンドンは終わった。既に超富裕層は国外に脱出している」と、50代のある銀行員は言う。

 彼らの脱出先として人気なのがスイスだ。既に不動産業者や引っ越し業者には問い合わせが殺到しているという。「スイスは多くの条件を満たしている」と、高級不動産業者サヴィルズで、スイスの物件を担当するジェレミー・ロラソンは言う。

 空気はきれいだし、大都市から45分の距離にスキー場がある。夢のように効率的な交通機関もある。16世紀から金融の中心地だったから、金儲けに対する偏見も小さい。ここは精神安定剤やミルクチョコレートを生んだ平穏な国なのだ。

 とはいえパラダイスは退屈なもの。真夜中まで営業しているレストランは皆無だし、商店も日曜日は閉まっている。ワインの価格はヨーロッパ1高いし、食事も単調だ。役人は石頭で、ごみ出しの日を間違えると家を訪ねてくる。

 それに考えてみると、クレディ・スイスとUBSというスイスの2大銀行は国際投資部門の本拠地をロンドンに置いている。金儲けに熱心な人間には、結局イギリスが合っているのかもしれない。

[2009年12月23日号掲載]

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