最新記事

銀行行政

「小さくてつぶせる銀行」を目指せ

当局の手でスリム化が進む英銀に対し、米銀は今も「大き過ぎてつぶせない」まま

2009年12月3日(木)15時27分
ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン支局)、マシュー・フィリップス

 リーマン・ショックの前後に公的資金で救済されたイギリスの大手銀行は、今も再建に向けて道半ばだ。11月、ネーリ・クルス欧州委員(競争政策担当)の勧告により、これら大手3行は規模の縮小や分割を迫られることになった。

 昨年秋に合計370億ポンドの公的資金が注ぎ込まれたロイズ・バンキング・グループとロイヤル・スコットランド銀行は、数百カ所の支店と保険部門やインターネットバンキング部門を含む資産を売却する。サブプライムローン問題で経営破綻した住宅金融大手ノーザン・ロックは2分割されることに同意した。

 その目的は小規模で健全な銀行に生まれ変わらせて、「大き過ぎてつぶせない」という事態の再発を避けることだ。

大手4行が預金の40%を握る米銀

 さてイギリスの銀行がスリム化を図っているのに対して、アメリカの大手銀行は巨大なまま。金融情報サイトのモットリー・フールによると、JPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカの4金融機関が、アメリカ人の預金の40%近くを牛耳っている。

 しかし米議会にもヨーロッパと同じような動きがある。11月18日、下院金融委員会による金融規制改革法案に修正案が加えられた。巨大な金融機関が破綻する前に分割させる権限を連邦政府の監督機関に認めるものだ。

 修正案を手掛けたポール・カンジョースキー議員は今年夏にEUの監督機関の担当者から話を聞いて、法案作りの参考にした。「感染が全身に及ぶ前に脚を切断する決定権を与える修正案だ」と、彼は本誌に語った。

[2009年12月 9日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中