最新記事

財務省の先制攻撃が始まった

オブザーヴィング
民主党

気鋭の日本政治ウォッチャーが読む
鳩山政権と民主党ニッポンの進路
by トバイアス・ハリス

2009.09.14

ニューストピックス

財務省の先制攻撃が始まった

民主党が本気で予算編成の仕組みを変えようとすれば、財務省との全面戦争に発展するだろう

2009年9月14日(月)18時21分

[2009年8月4日更新]

 革命(あるいは少なくとも行財政改革)の足音が迫るなか、財務省は古典的な先制攻撃を仕掛けているようだ。民主党、自民党とも政権公約に「ムダの削減」を掲げ、政権を取れば真剣に取り組む構えだからだ。財務省は各省庁に、8月末までに自ら「予算のムダ」を洗い出すよう促すことにした。とりわけ非効率な公共事業に焦点を当てている。

 財務省は明らかに、民主党政権誕生の可能性に備えていくらか譲歩の姿勢を見せようとしている。それによって少なくとも短期的には、官僚任せの予算からの脱却をうたう民主党の機先を制することができると期待している。だが、この先制攻撃は失敗に終わる可能性が高い。

 民主党は、憲法上は与党に基礎を置く内閣に与えられた予算編成権を取り戻したがっている。鳩山由紀夫代表は7月、財務省の丹呉泰健事務次官に政治主導の予算編成を担う「国家戦略局」の構想を示した。丹呉は構想を称賛したが、全体には沈黙がちだったかもしれない。もっとも、小泉純一郎元首相の秘書官を務めた丹呉は、「政治主導」に対してより柔軟な可能性もある。

 いずれにせよ、戦いはまだ序盤に過ぎない。8月30日の総選挙でもし民主党が政権を取れば、最後は決戦にもつれ込む可能性がある。民主党はおそらく、各省庁の自主的な予算削減だけでは満足しないだろう。だが、もし民主党が本気で予算の「総組み替え」を追求し、政治家が予算の大枠だけでなく細かな配分や使途にまで権限と責任をもつ仕組みに変えようとすれば、財務省との全面戦争に発展するだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、日本の対米投資第1弾発表 テキサスなど

ビジネス

米国株式市場=ほぼ横ばい、ハイテクが序盤の安値から

ワールド

米副大統領、企業のAIによる国民の監視に懸念=FO

ワールド

イラン外相、米との核協議で「指針となる原則」で大筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 5
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 9
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中