コラム

イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い

2025年12月03日(水)10時35分

今、イスラエル社会はかつてないほどの閉塞感に包まれている。国家の倫理を問おうとすれば敵として扱われ、社会の分断が進む。

その結果、国外脱出を選ぶ国民が急増している。22年から24年8月にかけて離国した人の数は約12万5000人。21年までは年間4万人程度であったが、24年にはわずか8カ月で5万人に達した。その背景には、国の現状への強い危機感がある。


国家の未来に警鐘を鳴らす「良心」が国を去りつつある今、イスラエル社会はどこへ向かうのか。

トメル・イェルシャルミが人生を賭けて告発したイスラエル軍の倫理の崩壊は、軍だけでなく国家の在り方そのものを問い直すきっかけとなるはずであった。

しかし、その声が国民に届くことはなく、今のイスラエルではただただ静かにかき消されるだけなのだ。


【関連記事】
イスラエルに根付く「被害者意識」は、なぜ国際社会と大きくかけ離れているのか?

プロフィール

曽我太一

ジャーナリスト。東京外国語大学大学院修了後、NHK入局。札幌放送局などを経て、報道局国際部で移民・難民政策、欧州情勢などを担当し、2020年からエルサレム支局長として和平問題やテック業界を取材。ロシア・ウクライナ戦争では現地入りした。2023年末よりフリーランスに。中東を拠点に取材活動を行なっている。

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