コラム

「移民狩り」抗議で荒れるLAに軍投入...全てはトランプの「演出」?【風刺画で読み解くアメリカ】

2025年07月05日(土)18時13分
ロブ・ロジャース(風刺漫画家)/パックン(コラムニスト、タレント)

その日からデモが拡大した。兵士は政府施設の警備に充てられ、暴動の制圧になど努めていない。逆に、中央政府の威圧が過激化の原因とも考えられている。無人タクシーに火を付ける者も出た。有人タクシーよりましとはいえ、バカげた行動だ。

カリフォルニア州知事もロサンゼルス市長も民主党。デモが続いて暴動が起きると彼らが無能に見える。共和党のトランプにはお得な「演出」だ。暴徒化や不法行為はもちろん許されることではないが、喜ばれることでもないはずなのに......。


ポイント

THIS PROTEST IS WAY TOO PEACEFUL! I NEED MORE TEAR GAS!... MORE RUBBER BULLETS!... MORE NATIONAL GUARD!
なんだこのデモの平和っぷりは! 催涙ガスを増やせ! ゴム弾も! 州兵ももっとだ!

ジョージ・フロイド殺害事件
米ミネソタ州ミネアポリスで2020年5月、偽札使用の疑いで黒人男性のジョージ・フロイドが白人警官に首を膝で押さえ付けられ、死亡した事件。警官の暴力と人種差別への抗議が全米に広がるきっかけとなった。

プロフィール

パックンの風刺画コラム

<パックン(パトリック・ハーラン)>
1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

パックン所属事務所公式サイト

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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