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中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
©2026 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<中国の反体制アーティスト・艾未未(アイ・ウェイウェイ)がこれまでの鋭い批判姿勢を一転させ、共産党政権を礼賛。世界に衝撃が走ったが、そもそも国際社会は長年、中国の反体制派や民主活動家に存在する「ある問題」を見過ごしてきた>
2025年12月、中国を代表する反体制アーティスト・艾未未(アイ・ウェイウェイ)は、祖国を離れてから10年ぶりに、93歳の母親を見舞うため帰国した。本来なら静かな家族再会となるはずだったが、その後のドイツメディアのインタビューによって、大きな波紋を呼ぶことになった。
インタビューで彼は、これまでの中国に対する鋭い批判姿勢を一転させ、「中国では多くの前向きな変化が起きており、国家の富や国民の生活水準という点で、中国はいま最も良い時代にある」と語った。中国の検閲制度は「極めて深刻な問題」ではあるが「検閲は中国固有のものではない。アメリカにも西側世界にも存在する」と主張。「中国は拡張を追求してきたことはなく、人民の尊厳と民族的誇りを守る点では決して妥協しない」とも述べた。
政府見解のような言葉に耳を疑ったが、ここで人々はようやく問題の本質を理解した。「奴隷の反抗」と「紅二代(こうにだい)の反逆」は、根本的に全く異なるのだ、と。
「奴隷の反抗」は、後ろ盾のない普通の人間が、言論空間の圧縮、尊厳の侵害など直接的な圧力を受けることで生じる。民主活動家・劉暁波(リウ・シアオポー)はその典型例だ。
しかし艾未未は違う。彼は「紅二代」だ。父である著名な詩人・艾青(アイ・チン)は、毛沢東や習近平(シー・チンピン)の父・習仲勲(シー・チョンシュン)とも交友関係にあった。最高権力者にとって脅威とならない限り、彼らはどれほど反逆的でも「内側の人間」としてその存在を許される。
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