コラム

iPhoneで撮影、北欧の「瞬間」を切り取る20歳のストリートフォトグラファー

2020年02月13日(木)12時40分

コッチが好んで使う帽子や鳥をしばしば取り入れ、ダークで神秘的な雰囲気を作り出している。カラー写真のほうは、色の魔術師とも言われる故ソール・ライターに大きく影響されている。

そのためか、一見すると彼らの作品と間違えることがある。いや、悪く言えば、コピーキャットとさえ思われるかもしれない。だが、モラーが最近出版した写真小冊子----タイトルは「Under the Surface」――の中で述べているように、彼が求めているものは、他の者がつい見逃しがちな何かだ。

表面的な事象の向こうにある、あるいはその下に隠れている、モラーが独自に解釈したメッセージなのである。加えてヴィジュアル的にも、コッチやソール・ライターたちのスタイルをさらにシンプルに、あるいはより大胆に発展させようと試みている。

写真哲学に非常にシャープな概念も持っている。それは、モラーが勉強家であることも垣間見せる。カラー写真の先駆者として世界に最も影響を与えた写真家の一人、エルンスト・ハースの言葉「(そこには)あなた自身とカメラしかない。あなたの写真の限界は、あなた自身の中にある。なぜなら、私たちが見ているものこそ私たち自身なのだから」を引き合いに出し、こう語る。

「それこそ私が言いたいこと。セルフポートレイトを撮影したことがなかったとしても、私の写真は、私自身が何なのかを映し出している」

この写真哲学と、彼のその瞬間その瞬間でのストリートでのムードと、その裏にあるメッセージを本能的に切り取る才能で、モラーの写真は今後さら発展していくかもしれない。

今回紹介したInstagramフォトグラファー:
Joakim Möller @moller_joakim

20200218issue_cover150.jpg
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2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

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