コラム

ナチュラルで本物、これがゲイのセクシュアリティの世界

2018年07月11日(水)17時19分

Matt Lambertさん(@dielamb)がシェアした投稿 -

だが、その官能的世界に"いやらしい"と言われるような感覚は、ほとんどない。彼が切り取り、あるいは繋ぎ合わせた瞬間、瞬間の世界が、あまりにもナチュラルなためだ。ドキュメント・タイプの作品だけでなく、セットアップした作品でも、常に生活感、あるいは"ライフ"と言うべき本物の匂いが漂っているのである。それゆえ、むしろピュアな感覚や心地良さが際立ってくる。

とはいえ、それは簡単に表現できるものではない。なぜなら、表現者がその感覚の世界とシンクロしていることが前提だからだ。さもなければ、作品はいま流行りの"フェイク"で終わってしまう。

無論、そうした世界を作り出せるのは、ランバート自身がゲイであるということも大きな理由だろう。だがそれだけではない。彼の作品には人類の普遍性が存在し、それを通して人間の条件を探求しようとしているからである。「Intimacy‐親密性」と「Love‐愛」である。

実のところ、この人間性に対する貪欲な探求こそが彼の最大の才能だろう。少し前までの作品にもそうした感覚的なコンセプトが顕著に表れていた。親密さや愛とは正反対の暴力性の作品だ。

それについて彼はこう語る。ロサンゼルス時代、ギャングをはじめ、自分の日常は暴力に覆われていた。それを映像で表したのは、暴力が人間にとって何なのか、また自分にどういう影響を与えたのかを、突き詰めてみたかったからだと。

そして、続けてこう語る。

もう、我々の世界に暴力はいらない。愛の普遍性を理解することが必要さ。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Matt Lambert @dielamb

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

MAGAZINE

特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

2019-6・18号(6/11発売)

「全米最高の教授」サム・ポトリッキオが説く勝ち残るリーダーになるための処方箋

人気ランキング

  • 1

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 2

    自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

  • 3

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    北朝鮮の若者が美貌の「文在寅の政敵」に夢中になっ…

  • 6

    アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

  • 7

    【動画】米軍、イラン革命防衛隊が日本のタンカーか…

  • 8

    世界に誇る『ゴジラ』シリーズ化の原点は、1955年公…

  • 9

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 10

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府…

  • 1

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 2

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 3

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

  • 4

    自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きても…

  • 5

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 6

    香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

  • 7

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

  • 10

    自殺した人の脳に共通する特徴とは

  • 1

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 2

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 3

    マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

  • 4

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 5

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 6

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

  • 7

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 8

    トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

  • 9

    脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

  • 10

    人類史上最も残虐な処刑は「首吊り、内臓えぐり、仕…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!