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意外にも「友好的」だったトランプ・マムダニ会談
それぞれに打算的な動機があったという指摘は可能でしょう。マムダニ氏の側では、何よりも1月に就任して以降、公約として掲げた政策を絶対に実現したいわけで、そのためには大統領による妨害は避けたいところです。一方のトランプ氏の場合は、エプスタイン疑惑というスキャンダルを抱え、共和党内にも離反者を抱える中では、ニューヨーク市内の若者票に接近したいという動機は十分にあると思われます。
もちろん、共和党の右派と民主党の左派の間には深い溝があります。伝統的な社会価値観の論争がまずあり、中絶や銃規制、LGBTQ+や移民の人権については、両者は水と油です。また、中東問題において、民主党左派は特にパレスチナに同情的な態度を取っており、この点でも共和党右派とは真正面から対立しています。
ところが国内の経済政策については、両者は重なってくる部分は多いのです。何よりも現役世代の雇用を重視し、無制限なグローバル経済への適応によって産業が空洞化することには反対しています。知的産業だけが栄えてエリートと庶民の格差が拡大することに反対している点も、見事に共通しています。そう考えると、全く「同じ天を仰がず」という存在に見えたトランプ氏とマムダニ氏が談笑していた光景は、決して不自然ではないと考えられます。
急速に色あせる民主党の穏健派路線
今回の「和解」はあくまで象徴的なセレモニーであり、具体的な意味合いは限られると思います。以降、民主党の左派がトランプ氏に接近するということも、そう簡単には起こりそうもありません。逆も同じです。ですが、今回の「トランプ=マムダニ」談笑シーンが持つ政治的な意味は決して小さくありません。それは、11月4日の市長選でクオモ氏が惨敗したことも合わせて、民主党穏健派、つまりクリントン=オバマ路線が急速に色あせて、過去へと消えつつあるということです。
グローバリズムに適応したアメリカは、多様性のある理想国家であり、高度な知的労働のチャンスが無限にある。格差は進むが、最貧困層だけは再分配で救済される。けれども、保守的な価値観を持ち、知的労働に縁のない庶民には一切名誉ある場所は与えない、そのような考え方は、静かに退潮しつつあります。今回のトランプ氏とマムダニ氏の握手が示しているのは、その場には不在であった民主党穏健派の人々に取っての「終わりの始まり」ということなのかもしれません。
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