コラム

五輪開催へ突き進む日本政府、その特異なギャンブル性

2021年06月23日(水)14時20分

立憲、国民、維新、共産の4党に加えて、都議選を考えると都民ファーストもあります。これらの勢力が、外交、軍事、経済財政、エネルギーなどについて政策協定に合意する可能性はゼロです。ですから、その点は完全に諦めて、「オリパラの後始末」という1点に絞って共闘し、選挙を戦うのです。

この「後始末」というのは、3点考えられます。1つは、オリパラ開催を優先するあまり、コロナの感染防止対策について法令やガイドラインを歪曲したり、これに違反したケースの捜査と摘発です。2点目は、オリパラに要した費用について、徹底的にガラス張りとして監査を行い、浪費や公私混同があれば法律によって摘発するだけでなく、情報公開を行うということです。3つ目は、招致に要した費用についてフランス当局の捜査に協力するだけでなく、日本としても独自の捜査を行なって、その結果を公表するということです。

オリパラが仮に全て開催できたとして、これにケチをつけようというのではありません。そうではなくて、曖昧な疑念を残すようでは、日本の有権者は2度と五輪旗を見たくなくなるでしょうし、例えば北海道経済再生のための2030年札幌招致の機運も消えてしまいます。また、明らかな失敗を受けても政治が変わらないのであれば、政治不信が深化することで、社会や経済の停滞がより悪化するかもしれません。

こうした問題を避けるために、そして少なくとも有権者がきちんと主権を行使できるように、「オリパラの後始末」に絞って野党が団結し、開催期間中もその監視に努められるのであれば、開催そのものも少しは引き締まった運営になるのではないでしょうか。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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