コラム

英語民間試験、萩生田発言は問題外だが、実施先延ばしも問題外

2019年10月31日(木)17時20分

とにかく、自民党などのイデオロギー保守に対して、革新を名乗る野党が対抗していたという構図ははるか彼方の歴史となってしまい、今は野党イコール守旧派で抵抗勢力と構図が逆転してしまっています。

その理由は、支持層が高齢化しているからでしょう。人口が多かったために、翻訳本が経済的に成立する中で、日本語で世界の先端情報に触れることのできた過去世代は、「大学受験は公正なペーパー試験」が良いという過去の「常識」に囚われているからです。

メディアが煽る中で、与党でも先送り論が出ているのは同じ理由です。将来への投資であるべき教育を、無効となった過去の常識から出た感情論で政治利用する動きが与野党を包んでいるとも言えます。受験生の不安感情すら、その動きに利用されているようです。

入試が格差を助長してはダメです。同じように、改革の先送りも許されません。緊急措置として是正措置を行い、予定通り新制度を導入するべきです。それが文科相の辞任と引き換えになるとしても、やむを得ないでしょう。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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