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サウジのジャーナリスト殺害疑惑、誰が得して誰が損した?
一方で、アメリカのトランプ政権ですが、疑惑がどんどん濃くなるなかで、大統領自らがサウジを擁護したり、「(真相究明や批判より)サウジへの武器輸出契約の方が大事だ」と発言したり、また大統領の長男ジュニアは「(殺害された)カショギ氏はテロ組織に関与」と発言していました。結果的に、サウジは(殺意は否定しつつも)殺害を認めざるを得なくなった状況で、トランプ政権の反応も迷走気味であり、あらためて「敵か味方の二分法」では問題に対処できないことを露呈した格好です。
意外にも、ポイントを稼いだのがトルコのエルドアン政権です。10月12日になって、クーデターに関与した容疑で2年間拘束していたアメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師を突然釈放しました。この牧師は、トランプ政権が強硬に釈放を要求し、経済制裁まで行ってトルコ経済に甚大な影響が出ていました。エルドアン政権としては「何らかの手打ち」のタイミングを狙っていたのでしょう。
と言うことは、この時点で「サウジ領事館内での記者死亡」という事実を握っており、その捜査をしっかり行って「主権を行使し、国家の威信を保つ」ことを重視して、そのためには「アメリカ人牧師というカード」を使う判断をしていたのでしょう。
結果的に、アメリカはサウジに圧力をかけざるを得なくなり、ポンペオ国務長官をサウジに派遣するにいたりました。これが「サウジがトルコとの共同捜査」に同意し、そして「殺意はともかく、領事館内での死亡という事実は認める」ところまで追い詰めることになったのだと考えられます。
トランプ政権は、どう考えても迷走しており、ヘイリー国連大使がサッサと辞任表明したのも「なるほど」と思わせる印象です。政権としては、コア支持者が「アメリカ・ファースト」ですから、「アメリカ人牧師解放」を成果として見せれば影響は軽微と踏んだのかもしれません。ですが、中間選挙を控えたアメリカ国内で、中道からリベラルの有権者層には「殺害疑惑より武器取引を優先した」ことは相当な悪印象を残しています。
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