コラム

大阪万博、大丈夫?予言されていた「荒井注」化の危機と見えてきたイヤ~な着地点

2024年03月09日(土)18時48分

そもそもリングも会場建設費の上振れの象徴的存在となっている。「世界一高い日傘」という声や無駄遣いとの批判が絶えず、整備費も当初想定から2倍近くに増えている。

その昔『リング』というホラー小説があったが、大阪万博では建設費350億円の「リング」がホラーだ。しかし関係者は何ごともなかったかのように開幕の日を迎え、結果オーライを目指すのだろう。だからこそ「博覧会」を注視するのは大事だ。

 
 

昨夏の時点で警鐘を鳴らす専門家もいた。「国民もこのような形の巨大イベントに意味はあるのかと思い始めている。このままでは、何となくやって終わり、誰も責任を取らない。東京五輪のようなことが繰り返されるだけだ」(小笠原博毅・神戸大学教授、東京新聞、7月28日)。

「東京五輪」が亡霊のように浮かぶ。何となくやって、誰も責任を取らない......。やっぱりホラーだ。

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プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

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