最新記事
シリーズ日本再発見

コロナから解放された日本社会の、新たな「新しい生活様式」

2023年04月25日(火)19時17分
西田嘉孝
新宿歌舞伎町の夜景

写真はイメージです Nikada/iStock

<マスク着用やソーシャルディスタンス、外食の際のルールなど、こと細かに制限されたコロナ禍の生活。日本が新型コロナウイルスから解放されつつある今、人々の暮らしや街の風景はどう変わったか?>

新型コロナウイルスのパンデミックにより、日本では2020年3月13日に新型コロナウイルス対策の特別措置法が成立。同年4月7日には首相官邸で記者会見が開かれ、人と人との接触を7割から8割削減することを目指し、東京や神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都道府県を対象に、当時の安倍晋三首相が最初の「緊急事態宣言」を発令した。

そして同年5月には、政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議が「新しい生活様式」を提言。「人との間隔はできるだけ2メートル(最低でも1メートル)空ける」といったソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、こまめな手洗い・手指消毒の徹底、テレワークや時差通勤の推奨、スポーツの応援などでは十分な距離を取るかオンラインで行うことや、食事中の会話を控えめにすることなど、感染拡大防止のための行動変容を求める指針が発表された。

プロ野球やサッカーの試合は無観客での開催を余儀なくされ、音楽フェスや展示会などの大規模なイベントはもちろん、ライブや舞台などもこぞって中止に......。制限は感染状況が落ち着くにつれて徐々にゆるやかにはなったものの、飲食店で仲間たちと会食することはおろか、遠く離れた家族にすら自由に会えない日々が長く続いた。

コロナ禍において、生活のあらゆる場面に現れたそうした制限は、今、どのように変わってきているのだろうか?

駅や電車にもノーマスク姿の人がちらほらと

まずマスクの着用については、厚生労働省が今年3月13日以降は「個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となる」とする「マスクの着用の考え方」を発表している。これまでの「屋内では原則着用」というルールは撤廃され、着用が個人の判断とされる一方で、医療機関の受診時や通勤ラッシュ時、重症化リスクが高い人が感染の混雑した場所に行く際には、配慮や注意を促す内容だ。

こうした発表を受け、全国のJRや私鉄などでつくる「鉄道連絡会」も新型コロナ感染対策に関するガイドラインを改定し、従来のマスク着用ルールを撤廃。原則としてマスクの着用は個人の意思や判断に委ねられることとなり、実際に駅や電車内でも、マスクを着用していない人の姿がちらほらと見られるようになった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マスク氏、FRBへDOGEチーム派遣を検討=報道

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中