コラム

「地球温暖化を最も恐れているのは中国国民」と欧州機関の意識調査で明らかに...その3つの理由とは?

2024年06月28日(金)18時45分

つまり、従来型工業製品に頼る経済構造で成長し続けることが難しくなっていて、そのなかで将来性のある分野の一つとしてクリーンエネルギーがある。

こうした認識は程度の差はあれ多くの国にあるが、中国ではより強いとみてよい。

実際、欧州投資銀行の調査で「グリーントランジション(環境に配慮した社会への移行)が経済を成長させる」と回答した割合は、中国で67%にのぼり、アメリカ(57%)やヨーロッパ(56%)を上回った。

とすると、経済的スランプが続く限り、中国では温暖化対策への期待がむしろ高まるとみられる。

もっとも、それが温暖化対策に逆行する可能性も否定できない。経済成長を目的化したグリーントランジションは、すでに中国で表面化している電気自動車の過剰生産などを加速させる恐れすらあるからだ。

経済的利益は環境対策のインセンティブとしては重要だろう。しかし、主客が逆転すれば、本来の目的も遠のきやすい。

その行方は定かでないが、生産力が大きいだけに、中国における環境意識が世界の環境対策に大きなインパクトを及ぼすことだけは確かなのである。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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