ウクライナ侵攻1年でみえた西側の課題──価値観「過剰」外交は改められるか
新興国・途上国にとって重要なのは、パートナーの信条ではなく、実際に協力があったか、あるいは今後、協力が期待できるかどうかだ。
その意味で、先進国と中ロの対立から実質的に距離を置くのは、現実的な判断とさえいえる。これは南アフリカに限った話ではなく、アジア、アフリカ、中東、中南米などに多かれ少なかれ共通する。
「民主主義vs権威主義」なのか
これを後押ししているのは、他でもない西側先進国である。
自由、人権、民主主義といった価値観を強調すればするほど、西側がこういった「普遍的価値観」を都合次第で使い分けるダブルスタンダードが浮き彫りになるからだ。
サウジアラビアなどペルシャ湾岸諸国は専制君主国家で、自由も民主主義も縁遠いが、先進国政府が公式に批判することはない。西側が多くの原油を輸入しているからだ。
また、ロシアによるウクライナ占領は許されるべきでないだろうが、その一方でイスラエルによるパレスチナ占領は半世紀に渡って続き、しかも同盟国アメリカはこれを支援してきた(しかも独自路線をいくイスラエルは対ロシア制裁に協力していない)。
こうした例は無数にある。
状況によって発言を変えるのは「言う側」である先進国にとっては現実的判断かもしれないが、「言われる側」である新興国・途上国の不信感を招いても文句は言えない。これはアメリカ主導のロシア制裁に対する新興国・途上国の非協力的態度の根底をなすとみてよい。
例えば、インドネシアはその民主主義の定着がしばしばアメリカから称賛されてきたが、ウクライナ侵攻に関してはやはり国連総会での非難決議に賛成しながらも、国内の幅広い反対を受けてロシア制裁に参加していない。
これについて、インドネシアにあるアイルランガ大学のダーマプトラ博士は「ロシアの行動に対する全面的支持というよりむしろ西側に対する侮蔑」と表現する。
雄弁は銀、沈黙は金
ところが、西側とりわけアメリカはこの数年、中ロとの差別化を意識して、それまで以上に「普遍的価値観」を強調してきた。
ウクライナ侵攻後、「民主主義vs権威主義」の構図は盛んに宣伝されてきた(ちなみにウクライナは汚職の蔓延や少数派ヘイトもあって、フリーダム・ハウスから南アフリカに対するものより低い「部分的に自由な国」と評価されている)。
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