ルーマニアはエルサレムに大使館を移すか──「米国に認められたい」小国の悲哀と図太さ
さらに、米国はEU圏であっても東ヨーロッパ諸国からの入国にはビザを求めていますが、とりわけルーマニア人のビザ申請が却下される割合は約11.43パーセント。これもブルガリア(16.86パーセント)よりましなものの、ポーランド(5.37)などと比べて高い水準です。
その一方で、2016年5月に米国は、ルーマニアで8億ドルを投じたミサイル基地を開設しました。
もともと東ヨーロッパでの米軍施設は、ロシアとの関係から、デリケートな問題です。2008年に米国ブッシュ政権は、イランを念頭に置いたミサイル防衛網を構築するため、ポーランドやチェコとの間で、ミサイル基地、レーダー基地の建設に合意。しかし、これがロシアを刺激するため、受け入れ国内部で反対運動を呼んだこともあり、2014年にオバマ政権が中止した経緯があります。
原発と同じく、自分の周囲にあってほしくない「迷惑施設」とみなされやすい米軍施設をあえて引き受けたことからは、それだけ米国との関係を強めたいルーマニア政府の意思をうかがえます。
もちろん、ルーマニアにもロシアとの関係悪化への懸念はありますが、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリアなどと比べて石油生産量が多く、ロシアからの天然ガス輸入への依存度が低いことは、「火中の栗を拾う」決断の一因となりました。
同時にここからは、「米国に認められたい」ルーマニアの足元をみる米国の姿勢も浮き彫りになるといえます。
小国の生き方
この背景のもと、ルーマニアの与党は、エルサレムへの大使館移設の方針を発表したのです。先述のように、これに関してヨハニス大統領はまだ決定を正式に発表しておらず、状況は未だ流動的です。
もし与党の発表を大統領が否定したなら、それはいわば良識ある判断といえます。
その一方で、もし与党の発表が追認されれば、ルーマニアはいわば捨て身の外交戦術に出たといえます。ロシアやEUと距離を置くため米国への接近を図るなら、米国が困っている時こそ自分を高く売れることは確かです。その意味で、エルサレム首都問題で米国が国際的に孤立する状況は、まさに「絶好の売り時」ともいえます。
もちろん、そこには払うべきコストがあります。ルーマニアにとってエルサレムをイスラエルの首都と認定することは、
・エルサレムの地位変更を認めない国連決議に反すること、
・EUの方針に反すること、
・この問題で米国とともに批判されること、
・特にイスラーム諸国から不興を買うこと、
などを覚悟しなければなりません。
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