コラム

高市新総裁の「高い経済理解」と高市政権で起こる経済政策の大転換

2025年10月07日(火)08時30分

「デフレではなくなったと安心するのは早い」

また、少数与党なのでいずれかの野党が主張する減税政策を採用する必要がある。これらを踏まえると、高市政権は基礎控除の引き上げを主張する国民民主党の協力によって、予算成立を目指すと筆者は予想している。

筆者が財政政策の転換と同様に重視しているのは、日本銀行の金融政策に対する高市氏の姿勢である。

総裁就任後の記者会見において、高市氏は「コストプッシュ型インフレという状態で放置して、これでデフレではなくなったと安心するのは早い」「(ディマンドプル型のインフレへ移行するまで)しっかり日銀とのコミュニケーションを密に取っていかなければならない」と述べている。

高市氏は、金融政策の転換によって日本経済を正常化させた安倍政権の成果を理解しており、本田氏、若田部氏などブレーンの見解を重視しているとみられる。

現在、政府と日銀による共同声明で2%のインフレ目標が定められている。しかし、物価目標を法律で明確に設定することが、日本経済が再び停滞しないために必要と筆者は考えており、高市政権はここまで踏み出すべきである。

9月8日のコラムで述べたが、高市政権の誕生によって、2025年の日本株リターンは米国株を大きく上回るだろう。ドイツ株は年初来で22%上昇している。日本株も、2025年に拡張財政に転じたドイツ株と同様の大幅高が期待できる。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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