トランプ政権の迷走で高まる「世界不況」リスク...日本が取るべき金融財政政策とは?
ミラン論文――「ドルの過大評価」を是正する必要
ただ、本来金融政策の判断への政治介入は慎重であるべきだし、曖昧な理由を掲げて圧力を強めるのは害悪でしかない。
関税賦課によって経済を不安定にしているのはトランプ政権であり、「FRBの行動が遅い」などの批判は政治的パフォーマンスである。2023年からの米国のインフレ鎮静化と底堅い経済成長は、パウエル議長率いるFRBの政策対応の成功の帰結だが、トランプ氏にとっては不都合な真実なのだろう。
仮にパウエル議長を解任しても、それに代わってFRBのかじ取りを担える人物を見つけるのは難しく、米国経済がより不安定になるだけだ。
また、トランプ氏は貿易赤字削減を目指しているため、1990年代以前のような「ドル安政策」が実現するとの市場の思惑が根強い。トランプ氏がFRBに利下げを要求することには、貿易赤字を減らす政治目標が重視されていることもあるのだろう。
スティーブン・ミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は論文で、多国間通貨協定を通じて「ドルの過大評価」を是正する必要があるとの考えを明確に示している。これらが、ドル安⇔ドル資産売りに対する金融市場の期待を強めたのだろう。
ただ、実際には、米国と欧州諸国との協調が難しくなっている中で、1980年代までのように多国間で通貨協定がまとまることはないだろう。
一方で、貿易収支と経済全体の豊かさには関係がないという、標準的な経済理論を理解せずに、古典的な重商主義的世界観を抱く政治家によって、トランプ政権が支えられている事実は軽視できない。トランプ氏に歯止めをかける人物は見当たらないので、トランプ政権の経済政策運営が機能不全に陥りかねないが、この疑念が米株安とドル資産売りをもたらした。
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