『人間蒸発』でドキュメンタリーの豊かさに魅せられて
ここまで読んだあなたに念を押すが、これは劇映画ではない。大島も佳江も実在する市民だし、露口は露口本人として被写体になっている。今村と撮影スタッフは自分たちの悪辣さを過剰なほどにさらす。テレビドキュメンタリーの現場ではスタッフが映り込むことは厳禁だし、まして自分たちの作為や狙いをさらすなどあり得ない。中立客観で不偏不党。でもこの作品にはそんなバランスなどかけらもない。佳江や大島の個人情報や肖像権は蹂躙され、終盤には大島の過去の愛人が現れる。佳江の最も身近な女性だ。そして虚実を全てひっくり返すあの伝説的なラスト。
観終えて唖然とした。同時にうれしかった。ドキュメンタリーはこれほどに豊かなジャンルなのだ。ならばもう少し続けよう。そう思ってからもう10年が過ぎる。
『人間蒸発』
監督/今村昌平
出演/露口茂、早川佳江
<本誌2020年3月31日号掲載>
【関連記事】『竜馬暗殺』は社会の支持を失った左翼運動へのレクイエム
【関連記事】『i―新聞記者ドキュメント―』が政権批判の映画だと思っている人へ

アマゾンに飛びます
2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」
数々の名監督を生んだイランの現状にもやもやしながら『シンプル・アクシデント/偶然』を観る 2026.03.25
『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントにして 2026.03.11
脚本・監督も主演2人も素晴らしい......僕の大切な『オアシス』は奇跡を見せてくれる 2026.02.11
大評判作『ワン・バトル・アフター・アナザー』が感じさせるアメリカの「反復力」 2026.01.29
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
外資系製薬企業におけるメディカルライティング業務担当/未経験可・賞与最大4ヶ月・年休126日
株式会社ワールドインテック
- 東京都
- 月給21万円~51万3,000円
- 正社員
-
「アフターセールスサポート」自社製品の問合せ対応や技術サポート 世界16か国で展開・外資グローバルメーカー/英語を活かす
KEBA Japan株式会社
- 東京都
- 年収500万円~800万円
- 正社員
-
動画プロデューサー 外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収420万円~650万円
- 正社員






