コラム

上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由

2026年01月15日(木)13時50分

入り口が離れていると、男の犯罪者が女性を尾行して、女性用トイレに近づくだけで目立ち、前を行く女性も周囲の人も、おかしいと気づく。この違いを明示したものが、図3である。日本のトイレのデザインでは、尾行から個室への連れ込みが容易に可能だ。

トイレの連れ込まれ危険度の比較

図3 トイレの連れ込まれ危険度の比較(上は日本の現在形、下は海外事例を踏まえた理想的デザイン) 筆者作成


図3で示した、トイレでの性犯罪のパターン(手口)とプロセス(動線)を確認できる動画を作成したので、これも参考にしていただきたい。

ほかにも、海外には、視覚的に男女の区分が明確で犯罪者が紛れ込みにくいトイレや、ドアをかすかに人影が見える程度の半透明にしたトイレなど、さまざまな工夫が施された「安全なトイレ」がある。それらについては、拙著『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)を参照していただきたい。

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プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページはこちら。YouTube チャンネルはこちら

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