コラム

ChatGPTはリサーチの助手として有能か? 犯罪学者が検証

2023年04月04日(火)08時50分

加えて、クリエーターやイノベーターとしての能力も検証していく必要があるだろう。そこで、こんな実験をしてみた。


筆者:三軒のラーメン屋が並んでいます。右端のラーメン屋が「日本一おいしいラーメン」と看板を出したら、たくさんの客が右端の店に集まりました。そこで、左端のラーメン屋が「世界一おいしいラーメン」と看板を出しました。すると、客は左端の店に集中しました。さて、真ん中のラーメン屋が、自分の店に客を集中させるためには、どのような文章の看板を出したらよいでしょうか?

ChatGPT:「日本一おいしいラーメンと世界一おいしいラーメンの真ん中にある、当店自慢の味をぜひお試しください!」 このような看板を出すことで、客は左右のラーメン屋に比べて自分たちの店の味が妥協されていないことを感じ、興味を持つ可能性が高くなります。

少し意地悪な質問だったかもしれないが、回答者が優れたイノベーターなら「入り口はこちら」と答えるだろう。このあたりが、人間がAIに勝てる最後の「聖域」かもしれない。いずれにしても、ChatGPTを生かすも殺すもユーザー次第ということを、ゆめゆめ忘れてはなるまい。

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プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。

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