コラム

「AIは雇用の大量破壊兵器」...新卒レベルの仕事の半分が消失するという衝撃の予測

2026年01月15日(木)19時25分

「がんは克服され、経済は年率10%で成長、予算は均衡する」

「がんは克服され、経済は年率10%で成長、予算は均衡するが、人口の20%が職を失う。私たちが『自分たちが作っているテクノロジーの行く末を心配すべきだ』と言い、批判者が『信じられない、ただの宣伝だ』と返す。奇妙な力学だ。政府はほとんど何も語らない」(アモデイ氏)

アモデイ氏のかつての上司、OpenAIのサム・アルトマンCEOは「もし昔の街灯点灯夫が現代にやって来たら想像を絶する繁栄に腰を抜かすだろう」と技術進歩の歴史に基づくテック楽観主義を説く。すでにAIは要約、ブレスト、契約書のレビュー、医療診断で能力を発揮している。


AIによる人減らしが進む中、米イェール大学バジェット・ラボのアーニー・テデスキ所長(元大統領経済諮問委員会首席エコノミスト)は「血の海はまだ起きていない。AIに最もさらされている職種において統計的に有意な雇用の減少や失業率の上昇は見られなかった」と指摘する。

AIにさらされる労働者の失業率は米国全体の平均より低い

テデスキ氏らの調査ではAIの影響を強く受けるプログラマー、ライター、アナリストの雇用成長率は1.2%で、影響が少ない職種の0.6%より高い数字を記録した。AIにさらされる労働者の失業率は2.5%前後で推移しており、米国全体の平均失業率(約4%)よりも低かった。

カーン氏はロンドンをAIのグローバルリーダーと位置づけ、未来を形作るテクノロジーは「私たちの価値観をコードにしっかり刻み込んだ」上で作られる必要があるという。「労働力のあらゆるレベルにAIスキルを定着させ、次世代が成功するのに不可欠なツールを装備させる」

フェイスブックやX(旧ツイッター)、ユーチューブなどのSNS革命は若者のメンタルヘルス危機やオンライン上の誹謗中傷の急増をもたらした。カーン氏は「今回はより迅速に動き、同じ過ちを繰り返さないようにしなければならない」とAIには責任ある規制が必要と釘を刺す。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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