コラム

公共放送に転換点...BBCは「偏向報道」認めたのか? トランプ演説「編集」問題で、トップ辞任の意味

2025年11月11日(火)20時57分

「BBCの宿敵に戦果を与えただけ」

「トップ2人の辞任は『深刻な制度的偏向』をBBCが事実上認めたかの印象を与え、BBCの宿敵に戦果を与えただけだ。謝罪で済む編集の誤りに『斬首』は過剰反応だ。受信料は攻撃材料になりやすく、王立憲章改定と受信料制度の再設計が焦点になる」(トインビー氏)

英評論家ダニー・コーヘン氏は11月9日付英紙デーリー・テレグラフで「BBC首脳は制度的偏りを指摘した文書を把握しながら『問題はない』と繰り返した。ユダヤ系コミュニティーがヘイト上昇に直面する最中にBBC首脳は説明責任を果たしていない」との批判を展開した。

「トランプ演説の編集は捏造に等しい重大な倫理違反で、6カ月放置したのは隠蔽だ。シャー理事長はユダヤ人社会に謝罪し、BBCは偏向とマネジメント不全に本格的メスを入れるべきだ。リベラルな集団思考が組織的損傷を招いた。今の選択がBBCの存続を左右する」と警告する。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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