Lucia Mutikani
[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇した。伸びは前月の2.7%から縮小。市場予想の2.5%も下回った。
物価の瞬間風速を示す前月比は0.2%上昇と、前月の0.3%から鈍化。ガソリン価格や家賃の伸びが減速したものの、年初に企業が値上げに踏み切ったことで基調的なインフレはなお強く、労働市場が安定化しつつある中、米連邦準備理事会(FRB)は当面は金利を据え置く可能性があることが改めて示された。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比2.5%上昇。伸びは前月の2.6%から鈍化し、2021年3月以来、最小の伸びとなった。
これを受け、ホワイトハウス報道官はソーシャルメディアへの投稿で「FRBによる長らく遅れていた利下げにより、米国経済は今後、一段と加速する」と述べた。
項目別では、家賃やホテルの宿泊代を含む住居費は0.2%上昇と、前月の0.4%上昇から伸びが鈍化した。食品は0.2%上昇。前月は0.7%上昇と、22年10月以来の大幅な伸びを記録していた。1月はシリアルなどが値上がりした一方、牛肉価格は0.4%下落。卵やコーヒー、生鮮果物、野菜なども下落した。
ガソリン価格も3.2%下落。電気代は0.1%下落したものの、人工知能(AI)関連のデータセンターからの需要を背景に、前年比では6.3%上昇した。
パーソナルケア製品は1.2%、娯楽用品は0.5%、通信費は0.5%それぞれ上昇。持ち家の帰属家賃も0.2%上昇した。
さらに、衣料品が0.3%、家庭用家具・用品も0.3%上昇し、関税コストの転嫁が継続していることを示唆した。
エネルギーを除くサービス価格は0.4%上昇と、前月の0.3%上昇から小幅に伸びが加速。航空運賃の6.5%上昇が押し上げた。
医療費は0.3%、病院サービス費は0.9%、医師の診察料は0.3%、それぞれ上昇。一方、処方薬は横ばいで推移した。
CPIに基づき、エコノミストは1月の米個人消費支出(PCE)価格のコア指数は前月比が0.2─0.5%上昇、前年同月比は2.9─3.2%上昇になると予測している。
<コアインフレ率は上昇>
一方、コア指数は前月比では0.3%上昇し、伸びは前月の0.2%から加速した。自動車を除くコアの財(モノ)価格は0.4%上昇し、23年2月以来の高水準となった。ただこれは、年始の一時的な物価上昇を反映している可能性が高く、エコノミストらは、BLSがCPIのデータから季節変動の影響を取り除くために使っている季節調整係数により十分に調整されていないと指摘している。
エドワード・ジョーンズの投資戦略担当シニアエコノミスト、ジェームス・マッキャン氏は「内訳を見ると、今回はノイズの多いデータだった」とした上で、「全体として、データは物価上昇率が安心できる水準を引き続きやや上回っていることを示唆しているが、インフレの方向性は引き続き下向きであるように見える」と指摘。ただ、これがFRBが短期的に金融政策を変更する決定的な理由にはならないとの見方を示した。
一方、EYパルテノンのシニアエコノミスト、リディア・ブーソウル氏は、関税コストの転嫁や、昨年の主要通貨に対するドル安を背景に「年前半はインフレが高止まりすると予想している」と指摘。その上で「政府機関閉鎖中のデータの空白によって生じたCPIインフレ率の下方バイアスにより、4月までデータの歪みが続くだろう」と述べた。
今回のCPI統計では、米労働省労働統計局(BLS)は2025年の価格変動を反映するために季節調整係数を再計算して公表した。