コラム

『トップガン』並みの正確さ...イラン核施設へのバンカーバスター攻撃で、トランプは賭けに勝ったか?

2025年06月24日(火)18時06分

1カ月で核兵器11発分に相当する核兵器級高濃縮ウランを生産できるイランの能力は、ナタンズへのイスラエルの攻撃で9発分に減り、今回の米国の攻撃でゼロになった。イスファハンの地下ウラン転換施設に通じる4つのトンネル入口のうち少なくとも3つが崩落している。

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イランの核兵器級高濃縮ウラン生産能力(オルブライト氏の投稿より)

イラン最高指導者アリ・ハメネイ師に「無条件降伏」を突き付けたトランプ氏は6月19日、2週間の猶予を与えたが、わずか2日間に短縮し「ミッドナイト・ハンマー作戦」を実行した。18日にフォルドゥの施設を密かに抜け出した16台のトラックがその理由かもしれない。

16台のトラックに60%濃縮ウランが積まれていた可能性

ハメネイ師の政治顧問アリー・シャムハーニ氏はXに「核施設が破壊されてもゲームは終わらない。濃縮ウラン、イラン国民の知識、政治的意志は残る。正当防衛権が行使されれば、政治的・作戦的主導権は賢く行動し、盲目的な攻撃を避ける側に移る。驚きは続く」と投稿した。

16台のトラックには60%濃縮ウラン408.6キログラムが積まれていた可能性がある。英大衆紙デーリー・メール(23日付)はトランクにはコンピューターハードウェアや粉末状のウランを貯蔵・輸送する巨大な鋼鉄製シリンダーを積むスペースも十分にあったと報じている。

トランプ氏にとりイランの核兵器級高濃縮ウラン生産能力が完全には破壊されず、ハメネイ師が核兵器製造を最終決断するのが最悪のシナリオだった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がイランへの単独攻撃を強行した時点でトランプ氏に他の選択肢は残されていなかった。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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