AIで雇用喪失の可能性、利下げでは対応困難=クックFRB理事
写真は米連邦準備理事会(FRB)のクック理事。ワシントンで1月撮影。REUTERS/Nathan Howard/File Photo
Howard Schneider
[ワシントン 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は24日、人工知能(AI)が米労働市場の世代交代を引き起こし、失業率の上昇につながる可能性があるが、FRBの利下げでは対応できない可能性があるとの見方を示した。
全米ビジネス経済学会(NABE)の準備原稿で「われわれは数世代で最も重要な仕事の再編に近づいているようだ」と指摘。コンピューターコーディング職の変化と、一部の労働者がエントリーレベルの職を見つけるのに困難を感じていることを、移行が始まった証拠として挙げた。
AIは「新たな機会」をもたらすとみられるが、初期段階では「雇用創出に先立って雇用の喪失が起こり、経済の移行に伴い失業率が上昇し、労働力参加率が低下する可能性がある」とした。構造的な要因で基礎失業率が上昇する中で生産性が向上しても、FRBはインフレ率上昇のリスクを負わずに対応できないとみられる。
クック氏は、「このような生産性の好況では、失業率の上昇は必ずしも需給スラック(余剰)の増加を意味するとは限らない。そのため、通常の需要サイドの金融政策では、インフレ圧力を高めることなくAIに起因する失業期間を緩和することはできないかもしれない」とした。「金融政策担当者は、失業率とインフレ率のトレードオフに直面することになるだろう」という。
クック氏は、金融政策にとってのもう一つの「深刻な」課題として、AI投資ブームが短期的に中立金利を上昇させる可能性を挙げた。これは、他の条件が同じであれば、金融政策の引き締めが必要となる可能性を示唆する。しかし、AI経済が所得格差の拡大を招いたり、AI技術による利益が富裕層に集中したりすると、中立金利は徐々に低下する可能性がある。クック氏の発言は、AIによる経済再編について、FRBで議論が活発化している一例だ。
一部の当局者は、生産性の向上によって金利が低下する可能性があると主張しているものの、失業率への影響や、進行中のAI投資ブームが少なくとも短期的にはインフレを加速させる可能性についても懸念が高まっている。
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