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ロシアのプーチン大統領再選と元二重スパイ暗殺未遂の相関関係を読み解く
リトビネンコ事件でイギリス政府は駐英露外交官を4人しか追放していない。対露関係の悪化を恐れて真相究明の死因審問もなかなか開こうとしなかった。「孤立」を恐れたのはプーチン大統領ではなく、欧州連合(EU)から離脱するメイ首相の方で、アメリカ、ドイツ、フランスの首脳と連絡を取り、支援を取り付けた。
EU離脱交渉で2019年3月に離脱した後も2020年末まで「移行期間」を設けることで暫定合意したのも、イギリスとEUがこれ以上プーチン大統領にスキを見せるのを避けたと言えるだろう。なにせ失業者や低賃金労働者の不満が鬱積するEU加盟国の中にはプーチン・サポーターがわんさかいる。
シンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)の報告書によると、プーチン・サポーターは以下の通り。極右政党では「ドイツのための選択肢」、オーストリア自由党、ギリシャの「黄金の夜明け」、ハンガリーの「ヨッビク」 フランスの国民戦線、イタリアの「同盟(旧北部同盟)」、イギリス独立党(UKIP)、ベルギーの「フラームス・ベランフ」。
極左政党ではキプロスの労働人民進歩党、ドイツの左派党、チェコのボヘミア・モラビア共産党、スペインの「ポデモス」、ギリシャの急進左派連合(SYRIZA)。このほかイタリアの「五つ星運動」、クロアチアの「人間の盾」も親ロシア政党だ。
ロシアが今回の事件で英米仏独の共同声明で非難されたからと言って孤立すると見るのは早計だ。
重体になっているスクリパリ氏の娘ユリアさん(本人のフェイスブックより)
ノビチョクのような毒性の強い化学兵器がプーチン大統領の関知しないところで流出し、何者かによって元ロシア二重スパイの暗殺に使われたとは考えにくい。そんな事態が起きれば、プーチン大統領の権威は失墜するからだ。
しかもサッカーのW杯ロシア大会を控え、EUの中でも対露制裁の緩和論がささやかれるようになる中で、スクリパリ氏父娘暗殺未遂事件は外交上、ロシアに何のメリットももたらさない。
筆者はスクリパリ氏がメドベージェフ大統領時代に行われた米露のスパイ交換でイギリスに亡命した元二重スパイであることに注目する。
裏切り者に死を宣告することで情報機関・軍出身者の守旧派「シロビキ」の締め付けを図り、「ポスト・プーチン」はメドベージェフ氏(現首相)に代表される改革派「シビリキ」ではなく、「シロビキ」を軸に進むというメッセージを送ったように思える。
ますます強硬になるプーチン大統領に対して、アメリカとEU、イギリス、日本はどこまで結束できるのか。リトビネンコ事件後の年表を見ると、これからの国際情勢はとても楽観できない。
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