日本には独自の不確定要因も...2023年の世界・日本経済、「3つのシナリオ」

ALEXSL/ISTOCK
<インフレ、金利の引き上げ、そして景気後退リスクという薄氷の2023年に、世界経済と日本経済はどこへ向かうのか?>
筆者は1年前、本コラムで2022年の経済予想を行った。そこでは、各国で発生しているインフレは一時的なものではなく、金利と物価が予想以上に上がる可能性があること、日本については量的緩和策をやめられない状況にあり、円安リスクが高くなっていることについて触れた。22年の経済はほぼ筆者の予想どおりの展開となったが、23年は一連の問題がヤマ場を迎える年になると予想される。
米バイデン政権は過度に進んだインフレの抑制を最優先課題としており、アメリカの中央銀行に相当するFRB(連邦準備理事会)は、金利の引き上げを急ピッチで進めてきた。景気や株価に配慮して、22年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げ幅こそ縮小したものの、ジェローム・パウエル議長は最終的な金利の到達点について依然として高い水準を示唆しており、高金利政策に変化はない。
程度の問題はともかく、インフレ抑制を狙った金利の引き上げで、世界経済はリセッション(景気後退)に陥る可能性が高まっている。金利の上昇と景気をうまくバランスできれば、何とか現状を維持できる可能性もある(シナリオ1)が、これは針の穴に糸を通すような作業であり、そう簡単にはいかないだろう。
金利を予定どおり引き上げれば、インフレは抑制されるものの、世界経済は景気後退に直面することになり、これまでとは打って変わって、不況対策が焦点となる(シナリオ2)。また、仮にFRBが市場からの要請を受け入れ、金利の引き上げを緩和した場合、景気後退は回避できるかもしれないが、インフレの問題がさらに深刻化する可能性が高い(シナリオ3)。
インフレが止まらなくなり、最後は極めて高い水準の金利引き上げを余儀なくされた1970年代のアメリカ経済が再来する可能性もゼロではないだろう。いずれにせよ経済が軟着陸できる可能性は低く、景気後退もしくはインフレの進行について引き続き、警戒が必要である。
日本の大きな不確定要因
日本経済もアメリカに連動するので基本的な見立ては同じだが、日本の場合、日銀の金融政策という大きな不確定要因がある。現在、総裁を務める黒田東彦氏の任期は4月に切れる。黒田氏の後任となる新総裁が、金融政策の変更を打ち出した場合、日本経済には極めて大きな変化がもたらされる。
小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」 2025.10.02
「史上最高値」の株高を、日本は喜んでいいのか? 従来の価値観では全体像を見誤るリスクが 2025.08.29
-
人事労務担当/リーダー候補/外資系企業の給与計算・社会保険/フレックス/年休124日/5946
永峰・三島コンサルティング
- 東京都
- 年収600万円~700万円
- 正社員
-
法人営業/外資系担当/創業80年/SK-II・POLA・ファンケル等/9684
東亜紙巧業株式会社
- 東京都
- 年収400万円~500万円
- 正社員
-
経理/外資企業向けアウトソーサー/月残業15h/転勤なし/8232
株式会社ビーピーエム アソシエイツ
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員
-
FP&A/創業160年以上の老舗外資商社/退職金有/産業機械の専門商社/3346
株式会社イリス
- 東京都
- 年収600万円~700万円
- 正社員