コラム

第一交通が相次いで配車アプリと提携 背後で糸を引くのはソフトバンク 

2018年03月06日(火)11時20分

東京都内のタクシーは2017年1月、事実上、戦後初となる値下げに踏み切ったが、これは配車アプリの上陸に備えたものとの見方が多い。 

日本ではバブル崩壊以降、25年以上にわたってデフレが続いてきたが、規制料金であるタクシーの値段は下がらなかった。独立系配車アプリによるサービスが本格化すれば、タクシー業界にもいよいよ本格的な競争原理が導入される可能性が高くなる。 

シェアリング・エコノミーには競争を活性化させるという側面があり、これはタクシー業界にとどまる話ではない。今後はあらゆる業界がシェアリングの対象となり、そこには必ず市場メカニズムが付いて回ることになる。あまり目立たない形かもしれないが、ソフトバンクは日本の産業構造を大きく変えようとしているのだ。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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