コラム

ビットコインが一時50万円を突破! 投機かそうでないか判断のポイントは?

2017年09月12日(火)12時30分

写真はイメージです。 Tsokur-iStock.

<通貨としてのビットコインを冷静に考えると、分裂騒動や中国の取引所閉鎖措置への過度な反応は本質ではない>

ビットコイン価格が再び乱高下している。仕様変更をめぐる分裂騒動が収束し、投資家に安心感が広がったことから一気に価格上昇が進んだが、中国政府が党大会を前にビットコインの取引所を一時的に閉鎖する措置を発表したことで、再び下落に転じた。ビットコインの価格上昇に対しては「投機である」「危険だ」といった声が高まっているが、ビットコインには全世界的な運用難や地政学的リスクに対する受け皿としてのニーズがあり、状況は単純ではない。

ビットコインは収益を生み出す金融商品ではなく、事実上の無国籍通貨であることを考えると、理論的な価格の上限は存在しない。投機なのか、そうではないのかといった議論はあまり意味をなさないと思った方がよいだろう。通貨としてどの程度、普及が見込めるのかという冷静な分析が必要である。

【参考記事】それでもビットコインは「カネ」になれない
【参考記事】ビットコイン大国を目指すスイスの挑戦

予想通り、分裂騒動による影響は少なかった

ビットコインはインターネット上で流通する仮想通貨である。昨年までは単なるモノという扱いだったが、今年の4月に法改正が行われたことで、日本においても正式に準通貨として認められることになった。

ビットコインの価格は、昨年後半までは、1BTC(ビットコイン)あたり5万~10万円程度の範囲で推移していた。しかし今年に入って価格は上昇を開始し、1BTC=10万円を突破。4月後半には15万円、6月には30万円を突破した。ところが7月に入ってビットコインに分裂騒動が発生。これが嫌気され、一時は20万円近くまで値下がりした。

従来のビットコインの仕様では、1日に数十万件の取引しか成立させることができず、このままでは決済処理に限界が生じることは確実である。こうした状況に対応するには、ビットコインの仕様を変える必要があるが、ここで問題となったのが、誰がそれを決めるのかという点である。政府が管理する通貨なら、最終的に政府が決断すればよいが、ビットコインにそのような仕組みは存在していない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

クリントン氏、エプスタイン氏の犯罪「全く知らず」 

ワールド

IAEA、イランに核査察許可求める 「不可欠かつ緊

ワールド

トランプ氏「軍事行使が必要な時も」、イランとの協議

ワールド

サウジ空軍基地で米軍機増加、 米イラン緊張下 衛星
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石が発見される...ほかの恐竜にない「特徴」とは
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 9
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKI…
  • 10
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story