中国発の世界同時不況になる可能性は低い
中国が消費国としてもっと巨大にならない限り、世界経済の動向を決定することはない(安徽省合肥のショッピングセンター) Stringer - REUTERS
〔ここに注目〕米国の個人消費(中国の生産動向ではなく)
中国経済の失速をきっかけに、世界的な景気後退懸念が高まっている。確かに世界第2位の経済大国が失速するということになると、各国に様々な影響が出てくるだろう。だが、経済というものは、買う人(需要)と売る人(供給)の両者が存在することで成立している。中国は規模の絶対値こそ大きくなったが、世界経済の動向を決定するほどの国ではない。今後の景気動向を見極める際には、中国ではなく米国に注目すべきである。
■中国は途上国であり、製品を購入する消費国ではない
一連の中国株ショックは、中国経済の失速が背景となっている。中国政府は、経済成長の目標を実質で10%台から7%前後に引き下げている。今年の4~6月期のGDP(国内総生産)についても、かろうじて7%を維持しているが、実態はもっと悪く、一部ではマイナス成長に転落している可能性も指摘されている。
メディアでは「中国発の世界恐慌」といった見出しが躍っており、世界同時不況が憂慮されている。中国の名目GDPは1200兆円を突破しており、すでに日本の2倍以上の規模がある。これだけの規模の経済が失速すれば、各国に大きな影響を及ぼすのは間違いないだろう。
だが、中国経済の失速が本当に世界的な経済危機を引き起こすのかについては、現実を見据えた上で冷静に判断しなければならない。今のところ中国の景気失速が、全世界に対して深刻な景気後退をもたらす可能性は低いと考えられる。その理由は、中国が世界経済における最終需要地ではないからだ。
中国はこれまで、世界の工場として繁栄を謳歌してきた。中国の基本的な産業構造は、素材や部品を外国から輸入し、最終製品に加工して輸出するというもので、高度成長期の日本とまったく同じである。安い人件費を武器に、大量生産を行い、製品を各国に輸出してきた。
国内的には、貧しい農業国から脱皮するため、各地に橋や道路、鉄道といったインフラを次々に建設し、このインフラ投資需要が成長を支えてきた。この図式も、高度成長期の日本とまったく同じである。
だが過剰なインフラ投資が限界に達したことや、安い労働力を武器にした製造業が、徐々にベトナムなど東南アジアの国々にシフトしたことで、中国の成長に陰りが出てきている。これが一気に表面化したのが今回の中国ショックということになる。
■世界経済の動向を決めるのは結局、アメリカ
だが、これはあくまで中国内部の話であって、世界経済全体の動向を示しているわけではない。中国はあくまで輸入した素材を加工して輸出する加工貿易の国であり、最終製品を購入する国ではないのだ。
中国の1人あたりGDPは約7600ドルと日本の5分の1の水準しかない。1人あたりGDPは乱暴に言ってしまえば、国民の平均的な年収に近い。平均年収が100万円以下では、世界の供給をカバーすることが不可能であることは容易に想像がつくだろう。絶対数が多いので目立っているが、中国人の爆買いは、一部の富裕層だけの現象なのである。
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