コラム

軍事パレードの陰で進む金融危機──中国が直面する二つの試練

2025年09月10日(水)18時30分

その中でもう1つ、世界の枠組みをひっくり返しかねないマグマが地下でぐつぐつ煮え始めた。米欧日で長期金利が急上昇を始め、そういうときには普通下がる金の価格も急騰を始めている。各国市場は国債増発を受けての長期金利上昇、インフレ高進、そして通貨価値の下落に備え始めたのだろう。

これで債券価格が下がると、投機的な債券を保有する金融機関は資金に窮し、金融の目詰まり、ひいては2008年のリーマン金融危機の再来になりかねない。

08年危機で中国はGDPの10%強に相当する公的資金を供給してしのぎ、習時代の国力急伸につなげた。しかし今度危機があれば、それはアメリカの覇権崩壊より中国経済中折れの確実化につながるだろう。


これを機に、民族国家・主権国家を単位にした、無意味な勢力争いをやめたらどうか?

各国の戦勝記念日は、平和と自由の記念日に代えればいい。世界のZ世代の頭の中では「国」という概念が溶融している。来年の8月15日は「平和と自由の若者サミット」を日本から始めようではないか。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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