コラム

バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体

2025年07月11日(金)17時20分

だからといって、アメリカでも欧州でも、昔のソ連もそうだったが、困窮層に寄り添う発言を声高に繰り返す者もまた、信用はできない。米共和党政権も、ポストリベラリズムで困窮層全体の生活を良くできるはずがなく、今のままではおそらくドル価値の低下とインフレを招いて、困窮層に愛想を尽かされることになりかねない。

「ポストリベラリズム」が「自由との決別」、残るものは自由も富もない荒れた世界、で終わらないよう祈る。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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