コラム

日本に迫る政党の「ガラガラポン」

2024年06月28日(金)17時20分

しかし生成AIの現代、これほど「政党」に固執しなければいけないのだろうか? これまでの国家、政党政治の在り方は本当に原始的に見える。無知、無恥、虚栄、貪欲といった人間の悪徳をむき出しにした政治家たちが、政党という名の徒党をつくって相争い、物事を仕切ろうとする。

もともと国家とは、税金を集め、それで領域を守り、治安を維持し、経済・生活のルールを定め、社会保障で格差を是正する存在。この多くの機能は、AIが果たすことができるだろう。

しかしその中には、「政治劇場」というエンタメゲームもつくってほしい。裏金とか怨念とか野心とか無知とかセクハラとか、あらゆる人間的要素がてんこ盛りの政治家のアバターたちが戦うゲームだ。

エンタメも政治や政党の重要な任務なのだ。それにAIが相手では、年金が少なくても文句の付けようがない。AIに頼らない、人間の、人間による、人間のための政治であってほしいが。

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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