「祖国防衛」へと大義がすり替えられたロシアのウクライナ戦争
ソ連崩壊以来30年、ロシアは新たな国家・経済モデルを探してもがいてきた。90年代、民主主義は混乱と困窮をもたらしたが、それを専制と帝国主義で挽回しようとしたプーチンは、ロシアの孤立と、ユーラシアでの地歩の喪失を招いている。工業文明や国民国家体制の先を模索する世界の中で、ロシアはこれからますます落伍していくかどうかの瀬戸際にある。
そのあたりを心得た軍事アナリストのドミトリ・トレーニンは、ウクライナで「戦略的な成功」を確保する必要性を述べながらも、「ロシアをもっと政治的に持続可能な、経済的には効率的な、社会的にはもっとモラルを備えたものに変えなければならない」と言っている。
そのとおりだ。しかし言うは易し、行うは難し。9世紀にキエフ大公国として出現して以来、ロシアは浮沈を繰り返してきた。おそらく今回もそれは続く。「ロシアよ、おまえはどこへ行く」という問いを、いつも投げかけられながら。
チャットGPTに日本のポピュリズムについて聞いてみた! 2025.07.26
バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体 2025.07.11
トランプ肝いりの「ステーブルコイン」でドル急落? 2025.07.01
人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営 2025.06.14
アメリカが経済協力から撤退した今、日本が世界のODAで旗を振れ 2025.05.27
米国債デフォルトに怯えるトランプ......日本は交渉カードに使えばいい 2025.05.13
安倍元首相ならトランプに助け舟を出す...正反対な石破首相はどうすべきか 2025.05.02