コラム

北方領土問題を解決する気がないプーチンに、日本はどう向き合うべきか

2019年08月28日(水)17時00分

そして安全保障分野でも、日本から積極的にアイデアを出すべきだ。ロシアが北朝鮮のミサイル開発に手を貸している可能性、そしてロシアが極東に中距離ミサイルを配備する可能性を念頭に、ロシア・北朝鮮・中国・アメリカの間での核削減交渉開始を呼び掛けロシアを牽制する。それは、日本でのイージス・アショア配備に対するロシアの反対を封じる効果も持つ。

このような一見回りくどいやり方は、日本国内では理解が得られにくい。しかしロシアに対する日本の立場、世界における日本のイメージは確実に上がる。訪問前に日本のマスコミに流し、ロシアのマスコミにインタビューあるいは投稿しておけば、ロシア、そして世界の世論にかなりのインパクトを与えるだろう。そうやって、将来の領土問題解決の地盤を養っておくのだ。

<本誌2019年9月3日号掲載>

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※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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