コラム

ポピュリズム時代のアメリカと日本はどう付き合うか

2018年11月24日(土)11時30分

またトランプは国際秩序の維持は二の次で、もっぱら20年の大統領選に勝つために大衆のムードを見て外交をする。そうなると日米同盟を守るには、アメリカの大衆に日本への反感を持たせないことが重要になる。従来のように、首都ワシントンのエリートを相手にしていれば外交ができる時代ではなくなった。

日本が大衆一人一人に対応できるはずはないが、幸い日本人や日系人には「正直、廉潔、勤勉」というイメージが確立し、日本車への大衆の信頼も高い。このような好印象を大事にして、さらに強化していけばいい。そのためには、貿易黒字や防衛面での対米依存の削減といった課題から逃げるのではなく、進んで是正することが効くだろう。日本の貿易黒字は昨年約3兆円だが、対米貿易黒字は約7兆円もある。日本は対米貿易黒字で他地域への貿易赤字をカバーしており、対米依存が強過ぎる。

日本政府のイメージ戦略というと、とかくマンガ人気に乗ってコスプレ大会をぎごちなく組織し失笑を買いがちだ。もっと自分のできること、やるべきことをきちんとやり、凛とした姿を打ち出していけばいい。

<本誌2018年11月27日号掲載>


※11月27日号(11月20日発売)は「東京五輪を襲う中国ダークウェブ」特集。無防備な日本を狙う中国のサイバー攻撃が、ネットの奥深くで既に始まっている。彼らの「五輪ハッキング計画」の狙いから、中国政府のサイバー戦術の変化、ロシアのサイバー犯罪ビジネスまで、日本に忍び寄る危機をレポート。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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