コラム

安倍3選後の日本の針路、長期政権は必ず腐敗する

2018年08月04日(土)16時00分

課題はいろいろあるが、手堅く処理していくのは官僚の役目。首相には社会を明るく、活力の満ちたものにする旗振り役が期待されている。そのためには若年層に焦点を当て、若者に分かる言葉で社会について語り掛けてほしい。変に擦り寄ることなく、同じ高さの目線で。

若者が進んで社会のために働くようになれば、高齢者の生活改善に必ずつながる。高齢者自身も孫世代の将来に貢献できる仕組みを考えることで、疎外感なく前向きに社会に関わり続けてもらうことができる。孫への相続に対する控除拡大や、老人が学校で自分の人生・職業経験を生徒と分かち合ってはどうか。

それは同時に、政治家の世代交代にもつながる。安倍政権第3期の主要な任務は、次世代にバトンを継ぐことでもある。総裁選で対抗候補と目される政治家の多くは21年には賞味期限が過ぎている。かつて小泉純一郎元首相が安倍首相を育てたように、自らが若い世代を後継者に育てることも使命となる。

<本誌2018年8月7日号掲載>

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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