コラム

トランポノミクスの過熱で再来する、アメリカ「双子の赤字」危機

2018年02月24日(土)14時20分

この不況で、アメリカはついに経済覇権を中国に明け渡すことになるだろうか。そうはなるまい。ほかならぬ中国も含め各国が対米輸出で成長を維持し、ドルを国際取引の主要決済手段とする構造が変わらぬ限り、アメリカ優位は揺るがないからだ。

中国は08年の世界金融危機を4兆元(約67兆円)相当の内需拡大で乗り切ったが、今再びアメリカ発の金融危機が襲ってくれば、同じことはもうできない。この10年間の無理な銀行融資増発は多額の不良債権を生み、中国経済を脅かしているからだ。

かくてバブル崩壊で転んでも、アメリカはただでは起きない。ドル下落でアメリカはやがて輸出を増やし、貿易赤字を減らすだろう。プラザ合意後のようにアメリカは焼け太る。そして「儲けたい」というアニマル・スピリットが人間の心から消え去らない限り、資本主義も終わらない。

それでもバブル崩壊で世界経済は、大荒れの時期に差し掛かるだろう。折しも朝鮮半島では南北が手を握り、アメリカに退場を願うということになるかもしれない。政経複合型の大波を覚悟する時代が来たようだ。

<本誌2018年2月27日号掲載>

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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