コラム

前回寄稿へのリアクションから、私が今感じること

2016年09月12日(月)11時50分

jarenwicklund-REUTERS

<障がい児童の新米お母さん・お父さんに宛てた筆者のメッセージには、様々な立場からリアクションがあった。その中にはもちろん異論もあったが、そもそも障がいは「良い・悪い」で判断できるものではないのではないか>

 前回の寄稿は多くの方が読んで下さったとのこと、この場を借りて御礼申し上げます。今回からは普段通り、経済問題をと考えていたのですが、反響が大きかったこともあるのでやはり追記をしたいと思いました。

【参考記事】障がいがある子の新米お母さんたちへ、今伝えたいこと(前編)
【参考記事】障がいがある子の新米お母さんたちへ、今伝えたいこと(後編)

 最も意外だったのは、寄稿しましてからの皆さんのリアクションでした。平素からこちらのコラムを筆頭に、ということになりますが、国民経済全体を思えばこそ、そして国家のグランドデザインはどうあるべきかを考えた場合に、どうしても現在の政権与党の経済運営に苦言を呈さずにはいられないというのがワタクシのスタンスです。別に安倍さんや与党中枢部を個人的・感情的に批判する意図がまったくないのは賢明な読者の皆さんであればご承知のこと。実は今回の寄稿直後からツイッターやフェイスブックで寄稿文に共感して手放しで拡散され、スレッドに心温まる書き込みを積極的にされたのはむしろ政権与党の支持者や近しい方々でした。普段の経済に特化した内容でも是々非々で評価して下さっているのは言うまでもありません。

 また、寄稿を受けての取材もありましたが、オファーしてきたのは保守系の媒体で、これまで何かとアクセスの多かったリベラル系からはまったく音沙汰なしというのも面白い現象だなと思った次第です。ワタクシとしましては常に政治信条などを超えて是々非々ありきなのですが、野党支持者のナイーブさやどなたが本当のリベラルな感覚を持ち合わせておられるのかが計らずも透けて見えるようでした。

 耳障りなことを言う奴でも「これとそれとは話は別」とレイヤー分けができるか否か。余談ではありますが、野党共闘が上手くいかないのは是々非々で物事を考えられる冷徹なまでのリアリストが政治家にも、その支持者にも決定的に不足しているためでしょう(あらかじめ申し上げておきますが、野党批判かとわざわざ反応をして下さらなくても結構です)。かく言う私は対立軸となりうる賢明かつ強力な野党の出現を心から望んでいますし、それが国民にとっても与党にとっても有益と考えています。

 個別のリアクションとして。詳細は割愛いたしますが、かつて新米だったお母さん・お父さんからは大変前向きな感想をいただきました。混乱されている中で直接アクセスされるのは本当に勇気のいることだったと思いますが、今回の寄稿文を届けたかった新米お母さんからの「救われました」とのメッセージには、逆に私が救われる思いがしました。

プロフィール

岩本沙弓

経済評論家。大阪経済大学経営学部客員教授。 為替・国際金融関連の執筆・講演活動の他、国内外の金融機関勤務の経験を生かし、参議院、学術講演会、政党関連の勉強会、新聞社主催の講演会等にて、国際金融市場における日本の立場を中心に解説。 主な著作に『新・マネー敗戦』(文春新書)他。

ニュース速報

ワールド

中国、G7声明を非難 「中傷やめるべき」

ビジネス

タイ工場130カ所でコロナ集団感染、輸出に影響も

ビジネス

米アップル、法的要求による情報提供に制限 前政権下

ビジネス

ユーロ圏経済は回復軌道、PEPP終了議論は尚早=E

MAGAZINE

特集:世界があきれる東京五輪

2021年6月15日号(6/ 8発売)

国民の不安の声や専門家の疑念は無視して
「安心・安全」を繰り返す日本を世界はこう見ている

人気ランキング

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    ノーベル賞を受賞した科学者の私が、人生で後悔していること

  • 3

    将来の理数系能力を左右する「幼児期に習得させたい」5つのスキル

  • 4

    EVシフトの盲点とは? トヨタが「水素車」に固執す…

  • 5

    歴史に置き去られた世界の廃墟たち...不気味で美しき…

  • 6

    誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に

  • 7

    イギリスがデルタ株の感染再燃で正常化先送りなのに…

  • 8

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウン…

  • 9

    「宿題なし・定期テストなし」でも生徒が勝手に勉強す…

  • 10

    ワクチン副反応、実は若い男性で心筋炎が多発 ファ…

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    国際交流で日本にきた中国人200人に「裏切り者」のレッテル

  • 3

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウンゴールで五輪に失敗した」

  • 4

    EVシフトの盲点とは? トヨタが「水素車」に固執す…

  • 5

    ビットコインを暴落させたマスクにアノニマスが「宣…

  • 6

    山口香JOC理事「今回の五輪は危険でアンフェア(不公…

  • 7

    武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得…

  • 8

    将来の理数系能力を左右する「幼児期に習得させたい…

  • 9

    ノーベル賞を受賞した科学者の私が、人生で後悔して…

  • 10

    水深6000メートル超の超深海帯で死肉をたいらげる新…

  • 1

    4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

  • 2

    脳が騙される! 白黒の映像が、目の錯覚でフルカラーに見える不思議な体験

  • 3

    脱・脱日本依存? 韓国自治体が日本の半導体材料メーカー誘致に舵を切っている

  • 4

    国際交流で日本にきた中国人200人に「裏切り者」のレ…

  • 5

    デーブ・スペクター「日本は不思議なことに、オウン…

  • 6

    ホテルで24時間監視、食事はカップ麺の「おもてなし」…

  • 7

    東京オリンピックの前向きな中止を考えよ

  • 8

    閲覧ご注意:ネズミの波がオーストラリアの農地や町…

  • 9

    武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得…

  • 10

    捕獲のプロが巨大ニシキヘビに遭遇した意外な現場...…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中