コラム

国連の救済機関がテロを扇動している? 日本で報じられない闇とは

2021年06月23日(水)19時31分

クレヘンビュールの祖国スイスの外相は18年、「UNRWAが中東和平を妨げている」「UNRWAは長い間この(難民)問題の『解決策』だったが、現在ではむしろ『問題の一部』と化している」と告発した。元米国連大使のニッキー・ヘイリーも今年4月、「UNRWAは全ての国連機関の中で最も腐敗している」と批判した。

UNRWAにはハマスメンバーの雇用疑惑や、ハマスによる労組支配の疑惑もある。6月にはイスラエルの攻撃は正確だったと発言したUNRWAガザ局長が本部に召喚される事態も発生した。

トランプ政権は18年、UNRWAへの拠出金を停止し、「これらの資金がアメリカの国益に沿って使用され、アメリカの納税者に価値を提供していることを確認するため」と説明した。

日本のUNRWA拠出金の源は税金である。パレスチナ人の福利や自立、平和や繁栄に結び付く使われ方をしているのか、われわれには知る権利も義務もある。

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。麗澤大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『中東問題再考』(扶桑社BOOKS新書)。

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