トランプ米政権、ベネズエラ石油部門を迅速に活性化できると主張
ベネズエラ国営石油会社PDVSAが運営する油井。モナガス州モリシャル近郊で2015年4月16日に撮影。REUTERS/Carlos Garcia Rawlins
Susan Heavey Sheila Dang
[ワシントン/マイアミ 6日 ロイター] - トランプ米大統領が南米ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、運営すると宣言した同国での原油生産量を増やすのには何年もかかるとアナリストが予想するのに対し、トランプ政権はベネズエラの石油部門を迅速に活性化できる方法はあると主張している。
世界最大の原油埋蔵量を誇るベネズエラで原油生産量を増やすことはトランプ氏の最優先課題となっている。ベネズエラではインフラが荒廃し、長引く投資不足が響いて原油輸出量は日量100万バレル未満と、20年前の日量300万バレル超と比べて落ち込んでいる。
<「巨大な」事業機会>
バーガム米内務長官はFOXビジネスネットワークのインタビューで、ベネズエラでの原油生産を最大化する選択肢として、油田設備や技術を利用できないようにした米国の制裁を解除する方法があると表明。「こうした措置の一部は、非常に迅速に実施できる」とし、「事業面でのチャンスは実に巨大だ」と訴えた。
トランプ氏は5日にNBCニュースに対し、米石油企業が補助金を受けて1年半未満でベネズエラでの操業拡大が可能だと主張。「それより短期間で実現できると思うが、莫大な資金が必要だ」とし、「膨大な資金を投じる必要があり、石油会社が先行投資をした後、私たちか売り上げによって償還されることになる」と話した。
トランプ氏は6日に面会した共和党所属の米下院議員らに対し、ベネズエラ産原油の供給増が米国民のエネルギー費用の負担を押し下げるとして「私たちは掘削すべき石油を大量に保有しており、これが石油価格をさらに押し下げることになる」と言及した。
<老朽化インフラ、高コストの開発>
石油アナリストらや企業経営陣は、ベネズエラの石油部門が短期間で回復することに懐疑的だ。老朽化したインフラの修復には数十億ドルの費用と何年間もの期間を要すると指摘している。
ベネズエラに埋蔵されている原油は粘度が非常に高く、重い。このため使用可能な燃料にするための採掘・輸送・精製には特殊な設備が必要で、世界の油田開発で開発コストが最も高い部類に入る。
原油価格が1バレル当たり約60ドルと低水準にある中で、石油企業はより安価で、開発しやすい油田に力を入れている。
ゴールドマン・サックスのグローバル商品調査部門の共同責任者、ダーン・ストルイベン氏は、同社のエネルギー・クリーンテック・公益部門会議で「インフラ、特に品質改良設備の劣化状態を考慮すると、来年中に日量30万―40万バレルを超える増産は想像し難い」と発言。ベネズエラでの原油生産量が日量150万―200万バレルに達するには2020年代終盤までかかるとの見方を示した。
さらに、米政府からの巨額の支援がなければ達成は難しい公算が大きいとして「可能性を否定はしないが、時間と大幅な制度改革が必要だ」と語った。
シェブロンはベネズエラの油田で操業する唯一の米大手企業。米石油大手のエクソンモービルとコノコフィリップスは、手がけていたプロジェクトが約20年前に国有化されるまではベネズエラでの主要生産者だった。





