欧州次期主力戦闘機計画、独仏西の溝埋まらず 実現に黄信号
欧州の第5世代戦闘機共同開発計画(FCAS)が迷走している。写真は次世代戦闘機の模型。パリで2020年2月撮影(2025年 ロイター/Charles Platiau)
[ベルリン 16日 ロイター] - 欧州の第5世代戦闘機共同開発計画(FCAS)が迷走している。開発に関わるドイツ、フランス、スペインの間で見解が対立し、先週開かれた3カ国国防相会合でも打開に向けた突破口を見つけられなかったもよう。事情に詳しい関係者の1人は16日、現時点でFCASが実現する公算は「非常に乏しい」と悲観的な見方を示した。
FCASはフランスの「ラファール」、ドイツ・スペインの「ユーロファイター」に代わる主力戦闘機と、共同作戦を組むドローンや情報共有・指揮統制システム「コンバットクラウド」を2040年までに運用することを目指す取り組み。
主力戦闘機開発だけでなく、ドローンやコンバットクラウドの開発に関する合意も難航している。
意見対立の核心はフランスの防衛メーカー、ダッソーがドイツ側のパートナーのエアバス・ディフェンス・アンド・スペースを差し置いてプロジェクトの主導権を握りたがっていることについて、ドイツが難色を示していることだという。
またドイツとフランスで主力戦闘機に求める役割が異なっている点も事態を難しくしている。フランスは核弾頭の搭載能力と、航空母艦との相互運用を不可欠とする一方、空母を持たないドイツは既に、北大西洋条約機構(NATO)の核弾頭を搭載するために米国製のF35戦闘機購入に合意している。





