トランプ氏、フェンタニルを「大量破壊兵器」に指定 大統領令署名
写真はトランプ米大統領。12月15日、ワシントンで撮影。REUTERS/Evelyn Hockstein
Trevor Hunnicutt
[ワシントン 15日 ロイター] - トランプ米大統領は15日、合成麻薬フェンタニルを大量破壊兵器に指定する大統領令に署名した。毎年何万人もの米国民が過剰摂取で死亡しているとして、取り締まりに向けた政府の権限を大幅に拡大する。
麻薬としては前例のないこの指定は、フェンタニルを単に公衆衛生上の危機としてではなく、化学兵器と同等の国家安全保障上の脅威として扱うというトランプ氏の意図を示している。
米国に大量の麻薬を流入させているとされるギャングに対する攻撃を強化するもので、国防総省に法執行機関を支援する権限を与える。また情報機関は、通常大量破壊兵器の拡散防止に用いられる手段を麻薬密売組織に対して行使できるようになる。
トランプ氏はメキシコとの南部国境警備にあたる軍人たちをたたえるホワイトハウスでのイベントで、「フェンタニルを大量破壊兵器として正式に分類する。フェンタニルは実際にそういうものだ。彼らは我が国を麻薬漬けにしようとしている」と語った。
大統領令は「違法なフェンタニルは麻薬より化学兵器に近い」と記している。
トランプ氏は今年、麻薬カルテルを外国テロ組織に指定し、麻薬を運搬していると見なす船舶を攻撃している。こうした船舶への攻撃は9月上旬以降20回以上に上り、80人以上が死亡している。





