暗号資産テラUSD開発者に禁固15年、暴落で巨額損失 「空前の詐欺」
12月11日、2022年に暴落し推定400億ドルの損失を出した暗号資産(仮想通貨)「テラUSD」を開発したテラフォームの創業者ド・クォン被告(34)に対し、米ニューヨーク・マンハッタンの連邦地方裁判所は、「空前の詐欺」を起こしたとして禁固15年の判決を言い渡した。写真は8月、米ニューヨーク州ニューヨーク市で、ド・クォン被告が有罪を認めるため弁護士とともに法廷に立つ様子を描いた法廷画(2025年 ロイター/Jane Rosenberg)
Jack Queen
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 2022年に暴落し推定400億ドルの損失を出した暗号資産(仮想通貨)「テラUSD」を開発したテラフォームの創業者ド・クォン被告(34)に対し、米ニューヨーク・マンハッタンの連邦地方裁判所は11日、「空前の詐欺」を起こしたとして禁固15年の判決を言い渡した。
テラUSDは、米ドルと価値が連動するステーブルコインだが、米ドルを裏付け資産として持たず、独自のアルゴリズムを使って別の暗号資産「ルナ」と連動させていた。
検察は1月、クォン被告を証券詐欺、電信詐欺、商品詐欺、マネーロンダリング謀議など9件の容疑で起訴した。テラUSDが1ドルを割り込んだ際、クオン被告は投資家にアルゴリズムが価値を回復させたと説明したなどと指摘し、少なくとも12年の禁固刑を要求していた。
地裁判事は、貯えをつぎ込んだ一般投資家に繰り返し嘘をついたと被告を厳しく叱責(しっせき)し、「これは空前の、世代を超えた詐欺だ。連邦訴追の歴史の中で、あなたほど多くの被害をもたらした詐欺はそうない」と述べた。
クォン被告は8月に共謀詐欺と電信詐欺の2件について罪を認めた。法廷では被害者に謝罪した。
同被告は24年、米証券取引委員会(SEC)との和解で8000万ドルの民事制裁金の支払いと暗号資産取引の禁止に合意している。韓国でも訴追されており、米国での刑期の半分を終えた後、国外移送を申請できる可能性がある。





